精選版 日本国語大辞典 「乃至」の意味・読み・例文・類語
ない‐し【乃至】
〘接続〙
① すべての事柄を列挙することをしないで、主な事柄を挙げたり、重いものと軽いものを挙げたりして、その他は省略することを示す。あるいは。または。
※霊異記(810‐824)上「放生する者は、北方无量浄土に生まる、一日斎食する者は、十年の粮を得、乃至善悪を造り、受くる所の報等の事を見て怖りて還り来り」
※観智院本三宝絵(984)下「阿みだ仏の名号を聞持ちて若一日、若二日、若三日、乃至七日、一心不乱臨終の時に心顛倒せずして即極楽に生る」
③ (yāvat または antaśas の訳語) 仏語。一般に二義があり、一つは物あるいは数などの下から上に至ることを示すもので、上至と同義であるとし、他は上から下に至ることを示すもので、下至と同義とする。また、前者を従少向多、後者を従多向少とも呼ぶ。
※教行信証(1224)二「復乃至者、一多包容之言」
※一念多念文意(1257)「乃至(ナイシ)は、おほきをも、すくなきをも、ひさしきをも、ちかきをも、さきをも、のちをも、みなかねをさむることばなり」
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