乃公(読み)ダイコウ

デジタル大辞泉 「乃公」の意味・読み・例文・類語

だい‐こう【×乃公】

[代]一人称人代名詞男性が、目下の人に対して、または尊大に、自分をさしていう語。我が輩。ないこう。
「それでも筆者は断じて―ではないと言い張り」〈佐藤春夫晶子曼陀羅

ない‐こう【×乃公】

[代]だいこう(乃公)

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「乃公」の意味・読み・例文・類語

だい‐こう【乃公】

〘代名〙 (汝の君主の意から) 男子自称目上の男子が目下の者に向かって、あるいはみずからを尊大にいう。我が輩。
※中華若木詩抄(1520頃)下「江山から汝と云ことは詩人をさす也。高祖臣下に向て、我がことを、乃公と云われたる心ぞ」
当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉一五「天下の眠をさまさんもの乃公(ダイコウ)を除いてまた何処にかある」 〔史記‐留侯世家〕

ない‐こう【乃公】

〘代名〙 (「ない」は「乃」の呉音) =だいこう(乃公)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

普及版 字通 「乃公」の読み・字形・画数・意味

【乃公】だいこう

一人称。〔漢書、張良伝〕(張)良曰く、誰か陛下の爲に此の計を畫(はか)るぞ。陛下の事去らんと。~王、を輟(や)め哺を吐き、罵(ののし)つて曰く、豎儒(じゆじゅ)、(ほとん)ど乃の事を敗らんとすと。

字通「乃」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android