丹砂(読み)たんしゃ

精選版 日本国語大辞典 「丹砂」の意味・読み・例文・類語

たん‐しゃ【丹砂】

〘名〙 (「しゃ」は「砂」の呉音。「たんじゃ」とも)
赤色の土。〔元和本下学集(1617)〕
② =しんしゃ(辰砂)①〔本草和名(918頃)〕
坑夫(1908)〈夏目漱石〉「何時の間にか木が抜けて、空坊主になったり、ところ斑の禿頭と化けちまったんで、丹砂(タンシャ)の様に赤く見える」

たん‐さ【丹砂】

〘名〙 =しんしゃ(辰砂)①〔史記‐貨殖伝〕

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デジタル大辞泉 「丹砂」の意味・読み・例文・類語

たん‐さ【丹砂】

辰砂しんしゃ

たん‐しゃ【丹砂】

辰砂しんしゃ

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普及版 字通 「丹砂」の読み・字形・画数・意味

【丹砂】たんさ

丹沙

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世界大百科事典(旧版)内の丹砂の言及

【水銀】より

…水質汚濁防止法による水銀の環境基準および排水基準によれば,アルキル水銀は検出されてはならないものと定められている。【中島 泰知】
【文化史】
 シンシャ(辰砂)は,朱砂,丹砂とも呼ばれ,〈真赭(まそほ)〉という美しい赤色を呈している。朱砂は多く母岩の割れ目に介在しており,そのうち赤色の鮮やかなものを採取して古代人は利用した。…

【仙薬】より

…そのうち上薬は,生命を延ばし,天に昇って鬼神を使役する効能を持ち,中薬は人間の本性を養い,下薬は病を治す効果を持っているとする。仙薬の最上のものは丹砂で,その次が黄金,以下,白銀,諸芝,五玉,雲母などが上位を占める。これらの仙薬の採集方法としては,例えば諸芝(石芝,木芝,草芝,肉芝,菌芝の五芝)を採集する場合,特定の日に祭祀を行い,禹歩という特殊な歩き方で息をとめて近よって開山却害符というおふだをその上においてこれを獲得するといった呪術的な方法が説かれる。…

【朱】より

…漆器の着色,絵具,朱肉,朱墨に用いられるが高価である。【新井 吉衛】 日本では古来,丹砂,朱砂,真朱,光明砂などと称され,成分の純度,色彩の具合で区別される場合もあるが,つまりは辰砂である。辰砂は中国の湖南省辰州の産が有名でこの名ができた。…

【水銀】より

…水質汚濁防止法による水銀の環境基準および排水基準によれば,アルキル水銀は検出されてはならないものと定められている。【中島 泰知】
【文化史】
 シンシャ(辰砂)は,朱砂,丹砂とも呼ばれ,〈真赭(まそほ)〉という美しい赤色を呈している。朱砂は多く母岩の割れ目に介在しており,そのうち赤色の鮮やかなものを採取して古代人は利用した。…

【仙薬】より

…そのうち上薬は,生命を延ばし,天に昇って鬼神を使役する効能を持ち,中薬は人間の本性を養い,下薬は病を治す効果を持っているとする。仙薬の最上のものは丹砂で,その次が黄金,以下,白銀,諸芝,五玉,雲母などが上位を占める。これらの仙薬の採集方法としては,例えば諸芝(石芝,木芝,草芝,肉芝,菌芝の五芝)を採集する場合,特定の日に祭祀を行い,禹歩という特殊な歩き方で息をとめて近よって開山却害符というおふだをその上においてこれを獲得するといった呪術的な方法が説かれる。…

※「丹砂」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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