中霧島村(読み)なかきりしまむら

日本歴史地名大系 「中霧島村」の解説

中霧島村
なかきりしまむら

[現在地名]山田町中霧島

東流する丸谷まるたに(是井川内川)の南岸に位置し、対岸山田村、南は安永やすなが(現都城市)。江戸時代は鹿児島藩都城島津家領で、都城五口六外城の一つ安永郷に所属(「他方人問答記并都城諸事記」天長寺文書)。中霧島は中世からの地名で、建久図田帳に記載はないが、室町期の書写と思われる建久図田帳(長谷場文書)に島津庄内の「中霧嶋十三丁五反廾」がみえる。応永三二年(一四二五)四月一〇日の某島津庄内坪付(樺山文書)野々美谷ののみたに(現都城市)を知行した樺山氏の給人の知行内容を示しているが、そのなかに「なかきりしま」内の「もり田のきやうふ太郎の門」二町二反がみえる。野々美谷の森田もりたが当時は中霧島の領域に入っていたのであろうか。地内の小字として古江ふるえが残るが、年未詳の北郷家家譜写(北郷文書)によれば、寛正六年(一四六五)六月二九日に北郷家家督の北郷持久および嫡子敏久はたか(現高城町)を退去して「安永古江村薩摩迫」に移ったという。敏久は応仁二年(一四六八)に安永城を築いており(同家譜写)、古江村は安永城築城前の居館所在地であろう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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