中野秀人(読み)なかのひでと

日本大百科全書(ニッポニカ) 「中野秀人」の意味・わかりやすい解説

中野秀人
なかのひでと
(1898―1966)

詩人評論家、劇作家。福岡市生まれ。政治家中野正剛(せいごう)の弟。早稲田(わせだ)大学中退。1920年(大正9)に評論『第四階級の文学』で文壇に登場し、プロレタリア文学理論の先駆となったほか、前衛的な小説戯曲発表した。イギリス、フランスへの留学を経て、戦時中は花田清輝(きよてる)らと『文化組織』を創刊、これを芸術的抵抗の拠点とし、活躍は戦後に及んだ。詩集聖歌隊』(1938)、『中野秀人散文自選集』(1941)などに加え、画集童話集もある。

[宗像和重]

『『中野秀人全詩集』(1968・思潮社)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「中野秀人」の解説

中野秀人 なかの-ひでと

1898-1966 大正-昭和時代の詩人,画家
明治31年5月17日生まれ。中野正剛(せいごう)の弟。大正9年プロレタリア文学評論「第四階級の文学」を発表。昭和15年花田清輝(きよてる)らと「文化組織」を創刊。戦後も前衛的な創作活動をつづけた。昭和41年5月13日死去。67歳。福岡県出身。早大中退。詩集に「聖歌隊」,小説に「精霊の家」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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