中川嘉兵衛(読み)なかがわ かへえ

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「中川嘉兵衛」の解説

中川嘉兵衛 なかがわ-かへえ

1817-1897 幕末-明治時代の実業家
文化14年1月14日生まれ。維新前,横浜,江戸で牛乳店や衛生・食品など洋式の新事業を手がける。のち製氷事業をはじめ,明治3年北海道函館の五稜郭(ごりょうかく)で天然氷約500tの採氷に成功。14年内国勧業博覧会で賞牌(しょうはい)をうけ,函館名産の「竜紋氷」として知られた。明治30年1月4日死去。81歳。三河(愛知県)出身本姓大谷

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の中川嘉兵衛の言及

【氷】より

…特権階級の,しかもその一部のものでしかなかった氷を一般人が享受するためには,まず天然氷の大量輸送が必要であった。初めてそれを敢行したのは,幕末維新期に屠牛(とぎゆう)場や牛肉店をも開いて,日本食生活史上に大きな足跡をのこした中川嘉兵衛であった。彼は1862年(文久2)から横浜馬車道に氷屋を開いていたというが,横浜開港後アメリカ人がボストンから氷を舶載して大きな利益をあげた例にかんがみ,71年(明治4)ごろには函館に製氷場を設け,そこでつくった天然氷を船に積んで大量に回漕し,安価に販売して好評を博した。…

※「中川嘉兵衛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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