中山七里(読み)ナカヤマシチリ

デジタル大辞泉 「中山七里」の意味・読み・例文・類語

なかやましちり【中山七里】

岐阜県中部、下呂市にある、益田ました川中流の峡谷。景勝地。長さ28キロ。

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日本歴史地名大系 「中山七里」の解説

中山七里
なかやましちり

下呂げろ町から金山かなやま町までの飛騨川(益田川)流域をいい、近世までの飛騨(益田)街道の別称でもある。総延長約二六キロ。石英斑岩の山地が川により浸食された峡谷美を呈する。飛騨木曾川国定公園のうち。両岸とも岩壁が覆いかぶさる絶壁であるため、東山道飛騨支路、中世末までの飛騨街道川沿いを避け、小川おがわより初矢はちや峠を越えて乗政のりまさ宮地みやじ夏焼なつやけ和佐わさ(いずれも現下呂町)から大船渡おおふなと(現金山町)に至る山越え道筋がとられていた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「中山七里」の意味・わかりやすい解説

中山七里
なかやましちり

岐阜県飛騨(ひだ)地方の南部、下呂市(げろし)の飛騨川(益田(ました)川)沿いに七里(約28キロメートル)続く景勝地。飛騨木曽川国定公園(ひだきそがわこくていこうえん)の目玉の一つ。濃飛流紋岩高原を深く刻んだ飛騨川沿いに、屏風(びょうぶ)岩、羅漢(らかん)岩などの優れた景観がみられ、春の新緑、秋の紅葉の彩りはともに美しい。ダム湖も自然景観にいっそうの変化を加える。下呂、高山、北アルプス方面への通路にあたり、中京、関西方面などから訪れる人が多い。

[上島正徳]


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百科事典マイペディア 「中山七里」の意味・わかりやすい解説

中山七里【なかやましちり】

岐阜県を南流する飛騨川(益田川)の渓谷。下呂市の金山から上流の下呂まで約23kmで,河床は石英斑岩で,水は白くあわ立ち,瀬や淵をなす。江戸時代には飛騨街道の別称でもあったように,川沿いに最短距離がとれる経路として1586年頃に金森長近によって開削されたと伝える。飛騨木曾川国定公園に属し,特に紅葉が美しい。
→関連項目金山[町]下呂[町]下呂[市]飛騨川

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改訂新版 世界大百科事典 「中山七里」の意味・わかりやすい解説

中山七里 (なかやましちり)

岐阜県東部,飛驒川の中流部にあり,下呂市の旧下呂町の帯雲橋から旧金山町の境橋の間約26kmの峡谷をいう。飛驒川が石英斑岩の山地を深く浸食して流れるところで,両岸には絶壁が連なり,白い塊状の岩の間を清流が早瀬や淵をなして流れる。飛驒木曾川国定公園に属し,新緑や紅葉のころの景色は特によい。長谷川伸の戯曲《中山七里》で知られる。高山本線と国道41号線が両岸を並行して走る。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「中山七里」の意味・わかりやすい解説

中山七里
なかやましちり

岐阜県中東部,飛騨川上流益田 (ました) 川の渓谷。下呂温泉から下流の金山までの約 20kmの区間で,益田川の浸食により石英斑岩の塊状岩が断崖絶壁を形成する。伝説や史跡に富み,飛騨木曾川国定公園に属する。渓谷に沿って JR高山本線,国道 41号線が通る。

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事典・日本の観光資源 「中山七里」の解説

中山七里

(岐阜県下呂市)
ぎふ百選」指定の観光名所。

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