中山(千葉県)(読み)なかやま

日本大百科全書(ニッポニカ) 「中山(千葉県)」の意味・わかりやすい解説

中山(千葉県)
なかやま

千葉県北西部、市川市の一地区。旧中山町。日蓮(にちれん)宗五大本山の一つ中山法華経寺(ほけきょうじ)の門前町として発展した。1253年(建長5)下総(しもうさ)八幡荘(やわたのしょう)若宮の豪族富木常忍(ときじょうにん)(胤継(たねつぐ))が迫害された日蓮を迎えて法華堂を建てたことに始まり、1331年(元弘1)中山の豪族太田氏の創建した本妙寺へ移築、合体して法華経寺となった。国宝の日蓮真筆の『立正安国論(りっしょうあんこくろん)』や『観心本尊抄(かんじんほんぞんしょう)』が保存され、五重塔、法華堂をはじめ国指定重要文化財が多い。寺内遠寿院における修行僧の100日間の荒行は有名。近世には市場町の機能も加え、現在は住宅地が広がり、商店街も充実している。

[山村順次]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android