中尊(読み)チュウゾン

デジタル大辞泉 「中尊」の意味・読み・例文・類語

ちゅう‐ぞん【中尊】

《「ちゅうそん」とも》左右脇立わきだちを従えて、中央に安置される仏像阿弥陀三尊阿弥陀仏五仏大日如来五大明王不動明王など。中台尊。

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精選版 日本国語大辞典 「中尊」の意味・読み・例文・類語

ちゅう‐そん【中尊】

〘名〙 (「ちゅうぞん」とも)
① 中央に立つ尊像壇上の左右に脇士を従え、まん中に立っている仏像。来迎(らいごう)の三尊仏(観音阿彌陀勢至)のうちの阿彌陀仏。また、密教の五仏の大日如来、五大明王のうちの不動明王。中台の尊。
※本朝文粋(1060頃)一〇・落葉声如雨詩序〈慶滋保胤〉「中起高堂。大悲観世音為中尊
② 三幅一対(さんぷくいっつい)掛け物の、中央のもの。
評判記・役者二挺三味線(1702)江戸「先大床の掛物は、中尊は女絵にていか成上手が書けるぞ」

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世界大百科事典(旧版)内の中尊の言及

【仏像】より


【仏像に関する用語】
 仏像の種類・名称については冒頭で触れたが,これらを礼拝対象としてみた場合,一寺あるいは一堂の中心的な仏像を本尊といい,その両脇に随侍の形で配置される尊像を脇侍と呼んでいる。この一組が3体以上で構成される場合,本尊を中尊と呼ぶことが多い。〈阿弥陀三尊〉のように中尊が如来,脇侍が2体の菩薩像である場合が一般的である。…

【本尊】より

…すなわち,本堂などに修行や礼拝の対象として安置する仏,菩薩像,画像などをいう。一堂宇のなかにあるいくつかの尊像のうち主たるもの,また脇侍や眷属と区別して中尊を意味することもある。本尊の語は《大日経》説本尊三昧品・世間成就品・秘密八印品,《大悲空智経》大相応輪品・俱生義品などにみられる。…

※「中尊」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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