中城(読み)なかぐすく

改訂新版 世界大百科事典 「中城」の意味・わかりやすい解説

中城[村] (なかぐすく)

沖縄県中頭(なかがみ)郡に属し,西は宜野湾(ぎのわん)市,東は中城湾。人口1万7680(2010)。海岸沿いの肥沃沖積低地と背後の丘陵地からなる。第一尚氏王統の尚泰久時代(1454-60)に忠臣護佐丸が与勝(よかつ)半島の勝連(かつれん)城に拠る阿麻和利への抑えとして配され,北部台地上に中城城を築城ないし増築した。だが阿麻和利は逆に讒訴(ざんそ)して討手となり中城城を攻撃,護佐丸は一矢も報いず自刃した。その後,首里攻撃を計画した阿麻和利は結局滅ぼされた。中城は第二尚氏時代には現在の北中城村とともに中城間切(まぎり)に属し,稲作を主とした。尚清(4代)が王子時代に中城を領し,尚質(10代)以後世子は中城王子と称された。

 第2次世界大戦前はハワイ,南アメリカへの移民を多く出した。現在はサトウキビを基幹作物とし,野菜・花卉栽培が行われ,漁港もある。北端の久場(くば)の海沿いには石油精製基地をはじめ,製糖や製紙の工場がある。中城城跡(史)は多郭式で六つの優美堅固な城郭からなり,沖縄の城跡中最もよく原形をとどめている。現在は城跡公園となっていて,東に中城湾,西に東シナ海を望める。沖縄自動車道インターチェンジがある。
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普及版 字通 「中城」の読み・字形・画数・意味

【中城】ちゆうじよう

本丸

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