中国土地法大綱(読み)ちゅうごくとちほうたいこう(英語表記)Zhong-guo tu-di-fa-da-gang

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「中国土地法大綱」の意味・わかりやすい解説

中国土地法大綱
ちゅうごくとちほうたいこう
Zhong-guo tu-di-fa-da-gang

1947年9月 13日中国共産党全国土地会議を通過し,10月 10日に公布された土地改革原則。同時に「中国土地法大綱公布に関する決議」も公布された。 46年5月4日の中共中央の「土地問題に関する指示」は解放区における土地改革の原則とその実施を指示したものであるが,その後国民党軍の解放区への全面的武力攻撃が始ったことによって,封建的,半封建的搾取の土地制度を根本的に絶滅して農民の要望にこたえるため,本大綱が作られた。全文 16ヵ条からなり,「耕者有其田」の農民的土地制度の実現,地主土地所有権の廃止,地主の財産接収富農の余剰財産の徴収,土地の均分などを規定している。 50年の土地改革法制定にいたるまで,約1億 4500万の農業人口をもつ地域で,土地改革が行われた。

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百科事典マイペディア 「中国土地法大綱」の意味・わかりやすい解説

中国土地法大綱【ちゅうごくとちほうたいこう】

中国共産党が1947年10月10日公布した土地改革の原則。解放区が中心的対象となる。全16条。1946年の五・四指示を是正し,封建・半封建的地主体制の徹底的克服を企図した。地主的土地所有の一掃,地主・富農打倒,貧農擁護の立場明示。1950年の中国土地改革法公布以前の基本原則であった。
→関連項目中国共産党

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旺文社世界史事典 三訂版 「中国土地法大綱」の解説

中国土地法大綱
ちゅうごくとちほうたいこう

1947年に公布された中国共産党の土地改革の原則
中国共産党が国共内戦革命に農民を動員し,同時に中国農村の旧制度である地主制度を一掃するために公布。全文は16か条で,旧地主の土地を耕作者無償で分配し,富農の土地財産も,一般農民より多い部分は徴収することなどが規定され,1950年に中華人民共和国土地改革法が実施されるまでの間,解放区で土地改革の実績をあげた。

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世界大百科事典(旧版)内の中国土地法大綱の言及

【土地改革】より

…これとともに各解放区で土地改革が展開されるが,五四指示は,まだ統一戦線の必要から一般地主にはかなりの配慮を払い,富農の土地は変動させないなど,不徹底な性格をもった。
[中国土地法大綱]
 国共内戦の全面拡大,中国共産党側の相対的劣勢のうちに,中国共産党は47年9月〈全国土地会議〉を開催,10月10日に土地法大綱を公布して,貧農路線による徹底した地主打倒と絶対平等の土地分配を打ち出した。すなわち郷村中の地主所有地および共有地をすべて没収し,他の土地と併せ老幼男女の別なく全人口に応じて平等に分配する。…

※「中国土地法大綱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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