中国作家協会(読み)ちゅうごくさっかきょうかい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「中国作家協会」の意味・わかりやすい解説

中国作家協会
ちゅうごくさっかきょうかい

中国の各民族の作家を統括し、指導する全国組織。略称は「作協」。前身は1949年7月に成立した中華全国文学工作者協会。53年9月に中国作家協会に改組された。中国文学芸術界連合会(文連)に属し、北京(ペキン)のほか各省・市・自治区分会を置いた。初代主席茅盾(ぼうじゅん/マオトウ)。文学工作者協会時代から機関誌として月刊人民文学』を発行、各分会も上海(シャンハイ)の『収穫』や広東(カントン)の『作品』など多くの雑誌を発行し、文学運動の中心を担った。文化大革命中は完全に解体され、活動を再開したのは79年秋の作協第三次大会以降。その後『人民文学』などの雑誌は、独立した雑誌社から出されている。84年12月の第四次大会で巴金(はきんパーチン)が主席となる。ただし、指導権は作協党組書記にあり、通常は中国共産党中央宣伝部副部長が兼務する。作家出版社や現代文学館などを系列下におく。2000年現在で会員数は約5000人。

[刈間文俊]

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改訂新版 世界大百科事典 「中国作家協会」の意味・わかりやすい解説

中国作家協会 (ちゅうごくさっかきょうかい)
Zhōng guó zuò jiā xié huì

中国の文学者の統一組織。1949年に文学芸術界の全国的統一機関である中華全国文学芸術界聯合会が結成されたのにともない,その文学部門の下部団体として組織された中華全国文学工作者協会は当協会の前身。53年に,一定業績をもつ作家,評論家,翻訳家,研究者など文学専門家を会員とする現組織に改組された。《人民文学》《文芸報》などの雑誌や,人民文学出版社,作家出版社なども管理運営する。各省・市・自治区には地方分会も設置されている。
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