中国サッカー・スーパーリーグ(読み)ちゅうごくさっかー・すーぱーりーぐ

知恵蔵 の解説

中国サッカー・スーパーリーグ

中国プロサッカーリーグの1部リーグのことをいう。
中国のプロサッカーリーグは、日本のJリーグが発足した1年後の1994年に設立された。当初は1部15チーム、2部12チームだったが、2004年からはそれぞれ12チーム、15チームとなり、名称を1部は「中国超級」(中国スーパーリーグ)、2部は「中国甲級」と定めた。06年以降の1部リーグは16チーム編成。ホーム・アンド・アウェーの2回総当りリーグ戦が行われ、上位3チームにはアジアのクラブチームナンバーワンを決めるAFCチャンピオンズリーグへの翌年の出場権が与えられる。各クラブの外国人選手は最大7人までで、内1人はアジア人選手枠となっている。
初期には、「ラフプレーが多い」、「グラウンド状態が悪い」、「戦術が単調である」ことなどが指摘された。また、09年になって、リーグ戦で大規模な八百長が長期にわたって行われていたことが明らかになり、協会、クラブ、審判など多くの関係者が摘発された。
近年は、豊富な資金力を背景に海外の有力選手や指導者を獲得し、AFCチャンピオンズリーグでの成績は年々向上している。09年の八百長事件により2部リーグに降格させられた広州恒大淘宝足球倶楽部(本拠地は広東省広州市)も、その後の資金投入によって1部リーグに復活し、11年以降はリーグ戦を5連覇して、13年と15年にアジア王者の座についている。
近年は、ラミレス(ブラジル代表、江蘇蘇寧)、フッキ(ブラジル代表、上海上港)、ペッレ(イタリア代表、山東魯能)、グアリン(コロンビア代表、上海申花)、シセ(セネガル代表、山東魯能)など外国人のトッププレーヤーを次々と獲得し、監督にも、スコラーリ(広州恒大)、エリクソン(上海上港)、マガト(山東魯能)といったビッグネームが名を連ねる。かつて日本代表を率いた岡田武史ザッケローニもスーパーリーグの監督を務めた。しかし、中国代表チームは低迷が続いているといわれ、経済力で外国人選手を集めるあまり、育成がおろそかになっているという指摘もある。
今シーズンから、英衛星放送局「スカイ・スポーツ」が3年契約で中国スーパーリーグの放映権を獲得したと発表した。サッカーの本場で生中継されることにより、中国スーパーリーグの認知度が広がると注目されている。

(葛西奈津子 フリーランスライター/2016年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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