中南米美術(読み)ちゅうなんべいびじゅつ(英語表記)Latin American art

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「中南米美術」の意味・わかりやすい解説

中南米美術
ちゅうなんべいびじゅつ
Latin American art

6世紀頃から南メキシコの低地密林地帯に栄え,次いで 11世紀頃からユカタン半島一帯に発展した,いわゆるマヤ,アステカ美術,ならびに 12世紀以後ペルー,ボリビアの中央アンデス高原のクスコを中心に栄えたインカ帝国の美術をいう。スペインの影響を受けており,北アメリカ先住民族インディアン固有のものとは異なっている。いずれも鉄器を知らず,旧大陸の新石器時代もしくは青銅器時代の文化をとどめ,ピラミッド状の巨大な石造の神殿を建て,宗教的性格の強い独特の美術を生んだ。一方,現代ではメキシコ美術古代の伝統と新たな民族主義のもとに活発な造形活動を展開,D.シケイロス,J.オロスコ,R.タマヨなどの画家の活躍が知られる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android