中井甃庵(読み)ナカイシュウアン

デジタル大辞泉 「中井甃庵」の意味・読み・例文・類語

なかい‐しゅうあん〔なかゐシウアン〕【中井甃庵】

[1693~1758]江戸中期の儒学者。播磨はりまの人。名は誠之。大坂に出て三宅石庵朱子学を学び、懐徳堂設立。著「不問語」「五孝子伝」など。

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精選版 日本国語大辞典 「中井甃庵」の意味・読み・例文・類語

なかい‐しゅうあん【中井甃庵】

江戸中期の儒者播磨国の人。名は誠之、字(あざな)は叔貴。通称忠蔵。大坂に出て三宅石庵に朱子学を学ぶ。龍野藩儒となり、享保九年(一七二四懐徳書院を設立、石庵を迎えて塾頭と仰ぎ、後自ら塾頭となって門人教授。著「不問語」「甃庵雑記」など。元祿六~宝暦八年(一六九三‐一七五八

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朝日日本歴史人物事典 「中井甃庵」の解説

中井甃庵

没年:宝暦8.6.17(1758.7.21)
生年元禄6.9.29(1693.10.28)
江戸中期の儒学者。名は誠之,字は叔貴,通称は四郎また忠蔵。甃庵は号。播州竜野(兵庫県竜野市)の人。竜野藩主脇坂氏に仕えたが,父が致仕して大坂に移ったのに従い甃庵も大坂に移った。三宅石庵の多松堂に朱子学を学び,その高弟として,享保9(1724)年大坂尼ケ崎町に懐徳堂を設け,2年後石庵を初代学主に迎え,堂が幕府公認の学問所となるために力を尽くした。石庵没後第2代学主となったとき五井蘭洲が助教として講義を受け持った。荻生徂徠の復古学流行の当時,終始宋学を以て立った。竹山,履軒は子。<著作>『不問語』『五孝子伝』『甃庵雑記』『貽範先生遺集』<参考文献>西村時彦『懐徳堂考』(復刻,1984)

(水田紀久)

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「中井甃庵」の解説

中井甃庵 なかい-しゅうあん

1693-1758 江戸時代中期の儒者。
元禄(げんろく)6年9月29日生まれ。大坂で三宅石庵(みやけ-せきあん)に師事。享保(きょうほう)9年大坂の有力町人らの協力で漢学塾懐徳堂を創立,石庵を学主にむかえる。のち幕府公認の学問所となった同堂の2代目学主をつとめた。宝暦8年6月17日死去。66歳。播磨(はりま)(兵庫県)出身。名は誠之。字(あざな)は叔貴。通称は四郎,忠蔵。著作に「とはすかたり」「五孝子伝」など。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「中井甃庵」の解説

中井甃庵
なかいしゅうあん

1693.9.29~1758.6.17

江戸中期の儒者。名は誠之,字は叔貴,通称忠蔵。播磨国竜野生れ。14歳で大坂に出,五井持軒・三宅石庵に学ぶ。有力5商人(五同志)とともに大坂町人の学問所懐徳堂の創立につくした。1726年(享保11)幕府から官許認可をえたのは,甃庵の粘り強い交渉によるところが大きい。懐徳堂の初代預り人となり,三宅石庵の没後は学主を兼ねた。竹山・履軒(りけん)は子。著書「五孝子伝」「喪祭私説」。

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旺文社日本史事典 三訂版 「中井甃庵」の解説

中井甃庵
なかいしゅうあん

1693〜1758
江戸中期の儒学者
大坂の人。三宅石庵に陽明学・朱子学を学び,同門の大坂町人と懐徳堂を建てた。のち懐徳堂は甃庵の粘り強い交渉により幕府の公認となり,初代学主石庵の没後,ほとんど独立で維持・経営にあたり,朱子学の興隆に貢献した。

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367日誕生日大事典 「中井甃庵」の解説

中井甃庵 (なかいしゅうあん)

生年月日:1693年9月29日
江戸時代中期の儒学者
1758年没

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世界大百科事典(旧版)内の中井甃庵の言及

【懐徳堂】より

…江戸時代の大坂にあった学校。1724年(享保9)大坂町人の三星屋武右衛門,道明寺屋吉左衛門,舟橋屋四郎右衛門,備前屋吉兵衛,鴻池又四郎の5同志が儒者中井甃庵と謀って,彼らの師三宅石庵を学主に迎え,尼崎町1丁目(東区今橋4丁目)に開設。26年幕府官許の学問所となり,石庵のもとに五井蘭洲らが助講,甃庵が学問所預人,5同志が財政運営を担当した。…

※「中井甃庵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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