世直(読み)よなおし

精選版 日本国語大辞典 「世直」の意味・読み・例文・類語

よ‐なおし ‥なほし【世直】

[1] 〘名〙
① 凶事を吉事に転換させるように祝いなおすこと。縁起なおし。
※俳諧・崑山集(1651)四「風にゆらは世なをしと先家さくら〈当則〉」
世相を改めよくすること。世の中のゆきづまった制度、乱れた風紀などを改革すること。
※人間が機械になることは避けられないものであろうか?(1948)〈渡辺一夫〉「巨大な破壊によって、所謂『世なおし』が行われるのであろう」
③ 特に、江戸中期から明治初めにかけて、士庶の中に醸成された反権力的、脱体制的意識や行為をさしていう。
底辺美学(1966)〈松永伍一〉被害の傷み「百姓一揆世直しといった類の集団的行為」
[2] 〘感動〙 地震雷鳴などのとき唱えて、それらを防ぐという呪文。多くは「よなおし、よなおし」と重ねて用いる。
仮名草子・かなめいし(1663)上「上下地しんとはおもひもよらざりけるが、しきりにゆらめきければ、諸人こころづきて、初めのほどは世なをし世なをしといひけれども」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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