世界農業遺産(読み)セカイノウギョウイサン(英語表記)Globally Important Agricultural Heritage Systems; GIAHS

デジタル大辞泉 「世界農業遺産」の意味・読み・例文・類語

せかい‐のうぎょういさん〔‐ノウゲフヰサン〕【世界農業遺産】

(「世界重要農業遺産システム」の略)⇒ジアス(GIAHS)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「世界農業遺産」の意味・わかりやすい解説

世界農業遺産
せかいのうぎょういさん
Globally Important Agricultural Heritage Systems; GIAHS

食料の安定確保を目指す国際組織国連食糧農業機関 FAOが,衰退しつつある伝統的な農業,文化風習,生物多様性などの保全目的に 2002年に開始した認定制度。正式名称は世界重要農業資産システム GIAHS(ジアス)。近代化が進むなか,次世代に継承すべきその土地の環境をいかした伝統的な農業・農法,生物多様性が守られた土地利用,農村文化,農村景観および保全活用のための地域の取り組みを「地域システム」として認定することで,それらを一体的に保全し,次世代へ維持・継承していくことを目的としている。条件を満たしていると認められた地域は FAOにより世界農業遺産として認定される。2013年10月現在,アンデス農業(ペルー),カシミールサフラン農業(インド),ハニ(哈尼)族棚田(→階段耕作中国),マグレブオアシスアルジェリアチュニジアモロッコ)など,11ヵ国 25地域が認定を受けている。日本からは 2011年6月,新潟県佐渡市の「トキと共生する佐渡里山」と,石川県能登地域GIAHS推進協議会が申請した「能登の里山・里海」の 2件が初めて登録された。

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事典 日本の地域遺産 「世界農業遺産」の解説

世界農業遺産

「世界農業遺産」は、2002(平成14)年国際連合食糧農業機関(FAO)が創設した制度で、正式名称は世界重要農業資産システム(Globally Important Agricultural Heritage Systems略称:GIAHS ジアス)。地域環境を生かした伝統的農法や、生物多様性が守られた土地利用システムを世界に残す目的で創設された。2011(平成23)年農業の近代化と並行し、伝統的な農業・農法、農村文化や生物多様性、農村景観などがシステムとして保全されており、その維持に努めている地域として先進国で初めてとなる新潟県・佐渡と石川県・能登2件が選ばれた。
[選定機関] 国際連合食糧農業機関(FAO)
[選定時期] 2002(平成14)年~
[登録・認定名] 能登の里山里海 | トキと共生する佐渡の里山

出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域遺産」事典 日本の地域遺産について 情報

知恵蔵mini 「世界農業遺産」の解説

世界農業遺産

国連食糧農業機関(FAO)が提唱している世界重要農業遺産システム(Globally Important Agricultural Heritage Systems)の略称。伝統的な農業・農法や、農業によって育まれた文化風習・生物多様性・農村景観などの保全を目的に、世界的に重要な地域をFAOが認定する制度。2002年に創設された。日本では11年に新潟県佐渡と石川県能登、13年に熊本県阿蘇、大分県国東半島・宇佐、静岡県掛川が認定されている。

(2013-5-31)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「世界農業遺産」の意味・わかりやすい解説

世界農業遺産
せかいのうぎょういさん

農業遺産

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