世界経済フォーラム(読み)セカイケイザイフォーラム(英語表記)World Economic Forum

デジタル大辞泉 「世界経済フォーラム」の意味・読み・例文・類語

せかいけいざい‐フォーラム【世界経済フォーラム】

ダブリュー‐イー‐エフ(WEF)

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「世界経済フォーラム」の意味・わかりやすい解説

世界経済フォーラム
せかいけいざいふぉーらむ
World Economic Forum

市場原理、自由貿易、技術革新などを共通の価値観とし、グローバル経済の発展や地球環境の保護、貧困差別撲滅、国際平和の推進などのために活動する非営利財団。略称WEF。毎年1月、スイスの観光地ダボスで、世界の100以上の国・地域から企業経営者、政治家、学者ら2000~3000人を招いてダボス会議(正式名「世界経済フォーラム年次総会」)を開くことで知られる。また、アジア、アフリカ中東南米などで地域会議を開いており、2007年からは中国で「夏のダボス」とよばれるニュー・チャンピオン年次総会(Annual Meeting of the New Champions)を開催している。シンクタンク機能をもち、国際競争力報告、グローバル情報技術報告、旅行・観光競争力報告などで、世界各国・地域のランキングを公表、グローバル・リスク報告では世界経済にとってのおもなリスクを分析・評価している。2005年からは多様な分野から、40歳以下のヤング・グローバル・リーダー選出・表彰しており、選ばれた者は2030年に向けた行動計画の策定に取り組んでいる。このほか国際機関、民間企業、非営利組織などと連携し、社会起業家支援などさまざまな活動を展開している。国際連合オブザーバー機構でもある。

 ドイツ生まれのスイスの実業家・経営学者シュワブKlaus Schwab(1938― )の提唱で、1971年に発足した。本部はスイスのジュネーブにあり、北京、ニューヨーク、東京に事務所をもつ。運営費は世界の1000以上の企業の協賛金でまかなわれている。

[編集部 2016年2月17日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

知恵蔵mini 「世界経済フォーラム」の解説

世界経済フォーラム

1971年にスイスの経済学者クラウス・シュワブ(現会長)により設立されたスイスに本部を置く非営利財団。同フォーラムは営利や国益などに影響されない公平な活動をモットーとしており、使命は「世界の現状の改善に向けて取り組む」こと。国際連合の経済社会理事会のオブザーバーの地位を有し、スイス連邦政府の監督下にある。中心的活動として、スイスのダボスで開催される年次総会があり、国家元首、大臣、企業トップ、メディアの代表、学術機関のリーダーなど2500名以上が参加し、健康や環境などを含めた世界が直面する重大な問題について議論する場となっている。また、年10回開催される地域会議、医療改善へのイニシアティブをとること、若手メンバーのリーダー候補の選出など、多様かつ大規模な活動を行っている。また、情報技術の競争力を評価する「グローバル・インフォメーション・テクノロジー・レポート」、国や経済の競争力を計る「世界競争力レポート」(12年度版で日本は10位)などの研究報告書は、世界中で大きなニュースとして取り上げられる。

(2012-09-7)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「世界経済フォーラム」の意味・わかりやすい解説

世界経済フォーラム
せかいけいざいフォーラム
World Economic Forum at Davos

通称ダボス会議。世界の大手企業などで組織する民間団体,世界経済フォーラム (本部ジュネーブ) が毎年1月,スイスのダボスに世界を代表する企業家や各国の政治家,学者,非政府組織 NGOを招いて開催する年次総会。世界が直面する問題を明らかにし,それについての議論の場を設けること,また,経済界あるいはそのリーダーが世界のより幅広い問題に目を向け,それに取組むよう促すことが目的。会議は,1971年スイスの実業家でジュネーブ大学教授でもあるクラウス・シュワブの提唱でヨーロッパ経済人の経営会議として始った。 90年代頃より著名な会議参加者の顔ぶれやそこで繰広げられる質の高い議論で次第に注目を集めるようになり,テーマも経済のみならず政治や文化などからも幅広く取上げられ討議されるようになった。西暦 2000年を迎えると,経済のグローバル化や環境問題,IT (情報技術) やバイオテクノロジーなどがテーマとして取上げられた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android