世界定立(読み)せかいていりつ

世界大百科事典(旧版)内の世界定立の言及

【現象学】より

…こうした〈記述的心理学〉としての出発時点においては,現象学は独墺学派のF.ブレンターノの思想と結びつくところもあったが,やがてフッサールは,おのれの現象学が単に心理学内部での改造の試みにとどまるものではないことを自覚するようになる。というのも,彼は当時の科学的心理学の根本的欠陥が〈客観的世界〉の存在を無条件に前提しているところ――彼はこれを〈世界定立〉と呼ぶ――にあると気づくのである。考えてみればこうした前提は,心理学に限らずすべての人間諸科学が自然科学からその基本的方法とともに受け継いだものであり,それらすべてに共通する根本的欠陥なのであるから,それを是正することは人間科学一般の改革,つまりは普遍的な知的革新の企てとなりうるはずだからである。…

※「世界定立」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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