不気味の谷(読み)ブキミノタニ

デジタル大辞泉 「不気味の谷」の意味・読み・例文・類語

ぶきみ‐の‐たに【不気味の谷】

人型ロボットなどの様態があまりにも人間に近いときに、見る者に違和感や嫌悪感を抱かせるとされる現象
[補説]ロボットの他、CG映像などについても用いられる。単純な機械に対しては抱かれない親近感が、人を模した単純なロボットなどに対しては高まるが、人に似すぎると違和感の方が勝るようになるというもの。さらに人と見分けがつかないほど似せることができれば、再び親近感が勝るという仮説に基づき、親近度のグラフにV字の谷が現れることからいう。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

知恵蔵 「不気味の谷」の解説

不気味の谷

ヒューマノイドの姿やしぐさをどんどん人間に似せていく場合、ある程度までは親近感が増すが、人間にかなり近づいたところで急に不気味さや嫌悪感が出てくる。この現象を森政弘・東工大名誉教授らが「不気味の谷」と名付けた。この谷を越えて人間に似せていくと、今度は急速に親近感が増す。「思考中に視線をそらす」といったヒトにとって当たり前のしぐさの有無が、非常に大きな要素だという。

(築地達郎 龍谷大学准教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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