不味(読み)まずい

精選版 日本国語大辞典 「不味」の意味・読み・例文・類語

まず・い まづい【不味】

〘形口〙 まづ・し 〘形ク〙
① 味が悪い。食べるには耐えない味である。うまくない。
※物類称呼(1775)五「あぢなし〈食物の味ひうすき也〉〈略〉東国にて、まづいと云」
② ぐあいが悪い。不都合である。
※人情本・英対暖語(1838)四「付合の女郎買ぐらゐをしたと言って、かならず麁情(マヅク)思はねへがいいヨ」
※門三味線(1895)〈斎藤緑雨〉二一「途で又逢ふてもまづい」
③ 醜い。みっともない。興ざめである。
※雑俳・柳多留‐一〇(1775)「母の文まづい顔してよんで居る」
下手(へた)である。つたない。劣っている。
※俳諧・江戸新八百韻(1756)「剣御祓の経りし板行〈龍眠〉 名のみして海道一のまづいもの〈亀成〉」
⑤ ずるい。狡猾(こうかつ)である。
洒落本道中粋語録(1779‐80頃)「男といふ者ア、まづいもんだアよ」
まず‐げ
〘形動〙
まず‐さ
〘名〙

ふ‐み【不味】

〘名〙 (形動)
① 味のないこと。味がよくないこと。まずいこと。また、そのさま。
※てんやわんや(1948‐49)〈獅子文六秋祭り「私は、そんなことよりも、不味であると言われた大鰻の味に期待を持った」
② 取引市場で、相場が下落傾向であること。また、その相場やそのさま。〔取引所用語字彙(1917)〕

まず・る まづる【不味】

〘自ラ五(四)〙 (形容詞「まずい」の動詞化) 失敗する、へまなことをするの意の俗語
※盗まれた影(1964)〈佐野洋真紅封筒「これは、まずったな」

まず・し まづし【不味】

〘形ク〙 ⇒まずい(不味)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「不味」の意味・読み・例文・類語

ふ‐み【不味】

味のよくないこと。まずいこと。

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