下風(読み)かふう

精選版 日本国語大辞典 「下風」の意味・読み・例文・類語

か‐ふう【下風】

〘名〙
② 他より低い地位。人の支配下。「下風に立つ(到る・着く)」などの形で、支配下に属する、付き従う、弟子になるなどの意にいう。
性霊集‐序(835頃)「弟子久渇清塵恭到下風
太平記(14C後)一九「況んや名家儒林の輩は、彼の仁に列なって下風(カふう)に立ん事を喜べり」 〔春秋左伝‐僖公一五年〕

した‐かぜ【下風】

〘名〙 下の方を吹く風。地上近くを吹きわたる風。
常陸風土記(717‐724頃)茨城「高浜の志多賀是(シタカゼ)(さや)ぐ妹を恋ひ妻と言はばやしことめしつも」
源氏(1001‐14頃)乙女「をまへなるかつらのしたかぜなつかしきにつけてもわかき人々はおもひいづることどもあるに」

しも‐かぜ【下風】

〘名〙 睾丸病気をいう。疝気(せんき)。下瘡(しもくさ)
※教言卿記‐応永一三年(1406)四月九日「自法印下風良薬桃人湯〈七裹〉送賜悦喜々々」

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デジタル大辞泉 「下風」の意味・読み・例文・類語

か‐ふう【下風】

風下かざしも」に同じ。
他の支配を受ける低い地位。「人の下風に立つを潔しとしない」

した‐かぜ【下風】

樹木などの下の方、地面近くを吹く風。

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普及版 字通 「下風」の読み・字形・画数・意味

【下風】かふう

かざしも。支配下。〔左伝、僖十五年〕君、后土を履みて皇天を戴く。皇天后土、實に君の言を聞く。群臣敢て下風に在り。

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