下院優越の原則(読み)かいんゆうえつのげんそく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「下院優越の原則」の意味・わかりやすい解説

下院優越の原則
かいんゆうえつのげんそく

二院制議会において,両院が対立した場合,下院決定が優先することを保障する原則。議会制民主主義発展の歴史なかで,国民主権立場から国民によって選出された代表で構成される下院の意思を,議会の意思として尊重する制度的保障として確立された。具体的には予算首相指名,内閣に対する不信任決議などが代表的なものであり,これらについては上院の意思にかかわらず,下院の意思が優先するのが一般的である。

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世界大百科事典(旧版)内の下院優越の原則の言及

【下院】より

…現代の多くの国では,憲法上の権限においても,下院を上院より優位に置いている。このように下院に優越した権能を与える原則を下院優越の原則と呼ぶ。具体的には,下院に法律案や予算案の先議権を認めるとか,意思決定の優越性を認めるとか,あるいは不信任決議の提出権を下院だけの特権にするとかいった形をとる。…

※「下院優越の原則」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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