下村湖人(読み)シモムラコジン

デジタル大辞泉 「下村湖人」の意味・読み・例文・類語

しもむら‐こじん【下村湖人】

[1884~1955]小説家教育家佐賀の生まれ。本名虎六郎ころくろう教職を経て著述生活に入る。自伝的教養小説次郎物語」で知られる。

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精選版 日本国語大辞典 「下村湖人」の意味・読み・例文・類語

しもむら‐こじん【下村湖人】

小説家、教育家。本名虎六郎。旧姓内田佐賀県出身。東京帝国大学卒。社会教育従事。台北高等学校長。著「次郎物語」は多くの少年読者をもった。他に「論語物語」など。明治一七~昭和三〇年(一八八四‐一九五五

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「下村湖人」の意味・わかりやすい解説

下村湖人
しもむらこじん
(1884―1955)

小説家、教育家。佐賀県の生まれ。本名虎六郎(ころくろう)。旧姓は内田、のち下村家の養子となる。佐賀中学時代から文学に志し、第五高等学校を経て東京帝国大学英文科卒業。新進詩人として注目されたが、実家・養家の没落のため教育界に進み、24年間、旧制中学・高等学校の教職にあった。その後は友人田沢義鋪(よしはる)(1885―1944)を助けて青少年の指導にあたり、1933年(昭和8)大日本連合青年団講習所所長となり、その機関誌に『次郎物語』第1部を連載。これが好評だったので『魂は歩む』(1936)、『若き建設者』(1944)などを執筆、青少年向きの教養小説として高く評価されている。ほかに随想集『教育的反省』(1934)、『心窓記』(1943)、伝記『田沢義鋪』(1954)などがある。

上笙一郎

『『下村湖人全集』全10巻(1975~1976・国土社)』『永杉喜輔著『下村湖人』(1964・講談社)』

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改訂新版 世界大百科事典 「下村湖人」の意味・わかりやすい解説

下村湖人 (しもむらこじん)
生没年:1884-1955(明治17-昭和30)

教育者,小説家。本名虎六郎。佐賀県神埼郡に生まれる。東京帝国大学英文科を卒業後,佐賀県下の中学校教諭,校長などを経て台北高校長。1931年退職し上京,五高時代の旧友田沢義鋪を助けて社会教育に従事。33年から大日本連合青年団講習所長。かたわら,その機関誌《青年》に自伝的教養小説《次郎物語》を発表しはじめる(1954年第5部完結)。37年辞任後は小説,詩,評論などもっぱら著述を通じて,修養論,人生論に関心を抱く青少年に影響をあたえつづけた。
執筆者:

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百科事典マイペディア 「下村湖人」の意味・わかりやすい解説

下村湖人【しもむらこじん】

小説家,教育家。佐賀県生れ。本名虎六郎。東大英文科卒。大学時代に《帝国文学》の編集に携わった。卒業後は教育界に入り,故郷佐賀の中学教師,校長を歴任,さらに台北高校の校長を務める。1931年辞任,以後社会教育に専念。1936年から自伝的教養小説《次郎物語》を書きはじめる(1954年第5部完結)。他に《隣人》《人生を語る》など。
→関連項目清水宏次郎物語

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「下村湖人」の解説

下村湖人 しもむら-こじん

1884-1955 大正-昭和時代の教育者,小説家。
明治17年10月3日生まれ。郷里佐賀県の中学の英語教師,校長をへて,昭和4年台北高等学校校長。8年大日本連合青年団講習所長。11年から自伝的小説「次郎物語」を執筆,作家生活にはいる。昭和30年4月20日死去。70歳。東京帝大卒。旧姓は内田。本名は虎六郎(ころくろう)。著作はほかに「隣人」「田沢義鋪(よしはる)」など。
【格言など】何につけても「しかたがない」という人間ほどしかたのない人間はない

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「下村湖人」の意味・わかりやすい解説

下村湖人
しもむらこじん

[生]1884.10.3. 佐賀,千歳
[没]1955.4.20. 東京
小説家,教育家。本名,虎六郎。 1909年東京大学英文科卒業。教職につき,台北高等学校校長を最後に上京 (1931) ,大日本連合青年団講習所所長として活躍 (33~37) 。幼時の体験を教育者的信念で綴った『次郎物語』 (36~37) の成功により作家生活に入り,同第2部 (38) から第5部 (54) までを出版したが,第6部執筆直前に死去。

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世界大百科事典(旧版)内の下村湖人の言及

【千代田[町]】より

…高志神社では毎年10月の例祭に鷺流狂言(高志狂言)が行われる。下村湖人の生家がある。【松橋 公治】。…

※「下村湖人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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