下掛り(読み)シモガカリ

デジタル大辞泉 「下掛り」の意味・読み・例文・類語

しも‐がかり【下掛(か)り】

話がしもがかっていること。また、その話。
能のシテ方五流うち金春こんぱる金剛、のちに喜多を加えた三流の称。当初、上掛かりの京都に対し、奈良本拠を置いたからともいう。大和掛かり。→上掛かり

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百科事典マイペディア 「下掛り」の意味・わかりやすい解説

下掛り【しもがかり】

〈下懸り〉とも書く。能楽用語。シテ方の五流のうち上掛り2流(観世流宝生流(ほうしょう))に対し,金春流(こんぱる)・金剛流喜多流の3流をいい,それぞれ芸統が近い。なおワキ方の宝生流は,金春流に属するワキ方春藤流から分かれたため,下掛り宝生流と呼ばれる。
→関連項目上掛り

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世界大百科事典(旧版)内の下掛りの言及

【能】より

…現在では流派の組合せにはまったく制約がない。シテ方5流のうち,観世,宝生2流は芸系が近く,能本の詞章や謡の曲節に共通点が多いので,〈上掛り(かみがかり)〉と総称され,同様に金春,金剛,喜多3流は〈下掛り(しもがかり)〉と総称される。ワキ方では進藤(廃絶)・福王2流が上掛り,春藤(廃絶)・宝生・高安(たかやす)(高安流)の3流が下掛りに属するので,ワキ方宝生流をとくに下掛り宝生流と称することがある。…

※「下掛り」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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