下品(読み)げひん

精選版 日本国語大辞典 「下品」の意味・読み・例文・類語

げ‐ひん【下品】

〘名〙
品質のおとった品物。下等の物。⇔上品(じょうひん)
※日本読本(1887)〈新保磐次〉二「朝早くつみたる葉にて上茶を製す。おそくつみたる葉にて出来たるは下ひんなり」 〔蘇軾‐上神宗皇帝書〕
② (形動) 品性品格がいやしいこと。いやしい行動や態度をとること。また、そのさま。⇔上品(じょうひん)
評判記色道大鏡(1678)八「畢竟、じゃうるりといふもの下品(ゲヒン)なる芸なれば」

げ‐ぼん【下品】

〘名〙 (「げ」「ぼん」はそれぞれ「下」「品」の呉音)
仏語極楽浄土について、その浄土に往生するものの資質を上、中、下に分けたときの下位のもののこと。また、上、中、下の三つに分けたその下位の浄土。
※観智院本三宝絵(984)下「下品に持(たもつ)は戒をあやまちてたとへ悪道におつれども」
能力性質など、さまざまなことについて、等差を上、中、下の三つに分けた、その最下位のこと。下等。下等の階級
今昔(1120頃か)三「下品の人には不娶じ、上品の人に娶がむ」

か‐ひん【下品】

〘名〙
① 品質のよくない品物。
身分家柄の低い者。下層階級。げぼん。〔改正増補和英語林集成(1886)〕〔晉書‐劉毅伝〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「下品」の意味・読み・例文・類語

げ‐ひん【下品】

[名・形動]
品格・品性が劣ること。卑しいこと。また、そのさま。「下品な人」「下品言葉遣い」⇔上品
品質の劣った物。⇔上品
[派生]げひんさ[名]
[類語]浅ましいさもしい卑しいはしたないあられもないしどけない下種下等低級低俗卑俗野卑低次元猥雑

げ‐ぼん【下品】

仏語。極楽浄土に生まれる人を、能力・資質の差によって上・中・下に3分した、その最下位。→九品くほん
下等。
「―の恋の句に一面滑稽味を帯びているのがある」〈寅彦・俳諧の本質的概論〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android