上野原(読み)うえのはら

精選版 日本国語大辞典 「上野原」の意味・読み・例文・類語

うえのはら うへのはら【上野原】

山梨県東部の地名桂川の段丘上に発達した甲州街道の重要な宿駅四宿があった。原物(はらもの)と呼ばれる絹織物産地。平成一七年(二〇〇五市制

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デジタル大辞泉 「上野原」の意味・読み・例文・類語

うえのはら〔うへのはら〕【上野原】

山梨県東端の市。もと甲州街道宿場町桂川流域にあり、アユは名物。甲斐絹かいきぬの産地。平成17年(2005)2月に上野原町秋山村が合併して成立。人口2.7万(2010)。

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改訂新版 世界大百科事典 「上野原」の意味・わかりやすい解説

上野原[市] (うえのはら)

山梨県東端の市。2005年2月上野原町と秋山(あきやま)村が合体して成立した。人口2万7114(2010)。

上野原市南部の旧村。旧南都留郡所属。人口2386(2000)。東は神奈川県に接する。中央部を秋山川が東流し,川沿いの傾斜地に耕地が開かれ,18の集落が散在する。農林業主体の地域であったが,近年は農業人口の減少,兼業化の進行により,農林業への依存度は低くなった。また工場誘致を図り,プラスチック成型加工や精密機械の部品組立てなどの工場が進出している。自然環境に恵まれ,村営高金山麓キャンプ場,観光スポーツ広場など,観光地づくりに努めている。無生野では県指定の無形文化財大念仏踊が毎年1月と7月に行われる。

上野原市中北部の旧町。旧北都留郡所属。人口2万7771(2000)。東京都と神奈川県に隣接する。中心地の上野原はかつて甲州街道(現,国道20号線)の宿場町,市場町として栄えた。相模川の上流にあたる桂川とその支流鶴川,仲間川沿いに河岸段丘が発達し,町の主要部は段丘上にある。古くから養蚕が行われ,農家の副業から絹織物業が発達,甲斐絹の産地として知られた。中央本線が通じ,1989年中央自動車道上野原インターチェンジが開設されて,交通が便利になるにつれ,首都圏のベッドタウンとして開発が進められ,観光関連事業の振興が図られている。また電気部品工場などの進出もみられる。上野原小学校に天然記念物大ケヤキがある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「上野原」の意味・わかりやすい解説

上野原
うえのはら

山梨県東端、北都留郡(きたつるぐん)にあった旧町名(上野原町(まち))。現在は上野原市の北部を占める。東は神奈川県、北東は東京都に接する位置にある。旧上野原町は1898年(明治31)町制施行。1955年(昭和30)大目(おおめ)、甲東(こうとう)、厳(いわお)、大鶴(おおつる)、島田、棡原(ゆずりはら)、西原の7村と合併。2005年(平成17)南都留郡秋山(あきやま)村と合併して市制施行。旧町域は桂川(かつらがわ)と鶴川の流域を占め河岸段丘の発達がよく、集落はほとんどその上にのっている。江戸時代、甲州街道の宿場が上野原宿、鶴川宿、野田尻宿(のたじりしゅく)、犬目宿(いぬめしゅく)と4宿あって栄えたが、1901年(明治34)中央線の開通(八王子―上野原間)によって宿場はさびれた。山間部にあるので耕地が狭く、織物、養蚕の町として発展、甲斐絹(かいき)の産地の一つである。東京に近く、国道20号、中央自動車道上野原インターチェンジ、JR中央本線など交通の便がよいため、首都圏のベッドタウン化の傾向が強くなっている。また、弱電、精密機械などの部品工業の進出もみられる。上野原小学校校庭の大ケヤキは国指定天然記念物。桂川のアユは名物である。

[横田忠夫]

『『上野原町誌』(1955・上野原町)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「上野原」の意味・わかりやすい解説

上野原
うえのはら

山梨県東端,上野原市中北部を占める旧町域。桂川と支流鶴川の流域にある。 1898年町制。 1955年大目村,甲東村,巖村,大鶴村,島田村,棡原 (ゆずりはら) 村,西原村の7村と合体。 2005年秋山村と合体して市制。中心集落の上野原は桂川左岸の段丘上にあり,近世甲州街道の重要な宿場町で,家並みや水路に面影を残す。ほかにも鶴川,野田尻,犬目の3宿があった。近世には甲斐絹 (かいき) の産地として知られ,絹市でにぎわったが,近年は東京への通勤者が増加している。上野原小学校の校庭にある大ケヤキは国の天然記念物に指定されている。

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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「上野原」の解説

うえのはら【上野原】

鹿児島の芋焼酎。酒名は、近くで発見された竪穴式住居跡・上野原遺跡にちなみ命名。むろ屋(麹室)で麹蓋を使って製麹し、昔ながらの大甕で時間をかけて発酵させる。白麹と黒麹を併用。仕込み水は霧島連峰の伏流水。原料はコガネセンガン、米麹。アルコール度数25%。蔵元の「中村酒造場」は明治21年(1888)創業。所在地は霧島市国分湊。

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世界大百科事典(旧版)内の上野原の言及

【市】より

…1675年の武蔵国多摩郡新町村(青梅市新町)の市へは,たかみせ衆,いもうじ衆,大物衆,かぞ売衆,石売衆,塩売衆,酒売衆,あい物衆が出ることが見込まれていた。やや後になるが1742年(寛保2)に設立されることになった甲斐国都留郡上野原宿の市では,細座(糸,繭,蚕種),高見世座,鍛冶座,紙座,麻座,大物座,穀座,肴座,茶座,塩座,薪竹長木木皮座に座割りしている。 近世初期には市に出る商人の多くは,商人頭のもとに組織されていた。…

※「上野原」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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