上郷・南上郷(読み)かみごう・みなみかみごう

日本歴史地名大系 「上郷・南上郷」の解説

上郷・南上郷
かみごう・みなみかみごう

現睦沢町上之郷かみのごうに比定される。応永三年(一三九六)と推定される六月一九日の伊勢貞信代沙弥道貞書状(円覚寺文書)に上郷とみえ、同七年七月二五日の円覚寺新文書目録(同文書)、同八年一〇月五日の関東公方足利満兼安堵状(京都大学文学部国史研究室蔵)によると、鎌倉円覚寺は寺領の尾張国富田とだ庄半分(当知行分)を伊勢貞信の所領上総国堀代ほりしろ(現大網白里町)・上郷および大崎おおさき(現木更津市)との相博に成功している。一方、同二六年一二月一七日の鎌倉公方足利持氏御教書(円覚寺文書)に、持氏の安堵した上総国内の円覚寺領として畔蒜あびる庄内亀山かめやま(現君津市)などとともに一宮いちのみや庄内南上郷がみえるが、同寺領としての由来が不明なのは南上郷だけで、富田庄と相博した三ヵ郷のうちの上郷が南上郷と同一のものと考えうる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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