上日(読み)じょうにち

精選版 日本国語大辞典 「上日」の意味・読み・例文・類語

じょう‐にち ジャウ‥【上日】

〘名〙 令制で、官人が出仕して公事を勤めた日。また、その日数仕日(つかうるひ・つかえび)。じょうじつ。
続日本紀‐大宝元年(701)五月癸酉「太政官処分。王臣五位已上上日」
※とはずがたり(14C前)三「このほどは上日なれば、しこうして侍れども」

じょう‐じつ ジャウ‥【上日】

〘名〙
① 月の第一日目。ついたち。〔俳諧・増山の井(1663)〕 〔書経‐舜典〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「上日」の意味・読み・例文・類語

じょう‐じつ〔ジヤウ‐〕【上日】

月の第1日。ついたち。
じょうにち(上日)

じょう‐にち〔ジヤウ‐〕【上日】

古代、官人の出勤した日。また、その日に出勤すること。じょうじつ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「上日」の意味・わかりやすい解説

上日 (じょうにち)

日本古代の律令官人の出勤日数。〈つかえたるひ〉ともよむ。毎年の勤務評定をうける前提条件であり,評定対象になる官人のうち,内・外長上(ちようじよう)は年間に240日以上,交替勤務する分番は140日以上,また有品(うほん)親王の公的従者である帳内,五位以上の貴族官人の公的従者である資人は,ともに200日以上の出勤を必要とした。欠ければ,その年度は評定の対象外とされた。毎年の評定書である考文(こうもん)や,一定年数の総合評定書で,恒常的な叙位に結びつく選文(せんもん)には,毎年の上日や合計出勤日数が記載された。また在京諸司および大宰府,壱岐(いき),対馬(つしま)の職事官(しきじかん)たちは,毎年,8月から翌年正月,2月から7月までに,それぞれ120日以上の出勤が記載されると,季禄として,春夏の禄,秋冬の禄が支給された。そして分番のなかでも,兵衛は,6ヵ月ごとに日夜それぞれ80日以上勤務すると,禄を支給されたのである。
考課 →選叙
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の上日の言及

【上日】より

…欠ければ,その年度は評定の対象外とされた。毎年の評定書である考文(こうもん)や,一定年数の総合評定書で,恒常的な叙位に結びつく選文(せんもん)には,毎年の上日や合計出勤日数が記載された。また在京の諸司および大宰府,壱岐(いき),対馬(つしま)の職事官(しきじかん)たちは,毎年,8月から翌年正月,2月から7月までに,それぞれ120日以上の出勤が記載されると,季禄として,春夏の禄,秋冬の禄が支給された。…

※「上日」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android