上川離宮(読み)かみかわりきゆう

日本歴史地名大系 「上川離宮」の解説

上川離宮
かみかわりきゆう

明治期から大正期にかけて天皇の別邸を建設する運動があった。明治七年(一八七四)七月地質調査で上川入りした米国人技師ベンジャミン・スミス・ライマンが上川盆地の美しい地形に驚嘆神居古潭かむいこたんの石を使用した宮殿プランを提言したとされる。同一五年一一月会計検査院長岩村通俊は北海道の開発と経営は上川地方から始めるべきとし、高畑利宜に命じて調査させた詳細な資料を付して太政大臣三条実美に「北京を北海道に奠むるの議」を提出。同一八年八月永山武四郎屯田本部長らと上川入りした通俊は近文ちかぶみ山に登って国見を行い、同山に国見の碑(市指定文化財)を建立した。みずから記した碑文に「東西四里南北七里、石狩・忠別・美瑛の諸川が流れ、周囲を山々がとり囲み、ここに北京を開けば自然の城の中にある」などとみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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