上山(市)(読み)かみのやま

日本大百科全書(ニッポニカ) 「上山(市)」の意味・わかりやすい解説

上山(市)
かみのやま

山形県南東郡、山形盆地の南部にある市。北を山形市と隣接する。1954年(昭和29)上山町と西郷(にしごう)、本庄(ほんじょう)、東(あずま)、宮生(みやおい)、中川の5村が合併して市制施行。1957年山元村を編入。市域東部は蔵王連峰(ざおうれんぽう)の西斜面にあたる山地で、ここを源流とする須川(すがわ)が前川を合流して市域中央部を北流し、小盆地を形成する。東部は蔵王国定公園に含まれる。西部は白鷹(しらたか)丘陵に属する丘陵性山地。JR山形新幹線・奥羽本線、国道13号が市域中央を南北に縦断する。国道348号、458号も通じる。2002年(平成14)東北中央自動車道の一部が開通、山形上山インターチェンジが設置された。中心地の上山は、上山藩(4万石~3万石)の城下町、羽州街道の宿場町として栄え、また中世以来温泉町としても発達した。市街地のほぼ中央部にある月岡公園は上山城(月岡城)跡で、その周辺に湯町、新湯、十日町の温泉がある。また市街地郊外には河崎、葉山、高松の温泉があり、これらは総称して「かみのやま温泉郷」とよばれる。蔵王エコーラインの入口にあたり、田園観光都市として整備されつつある。蔵王坊平にはキャンプ場やスキー場がつくられている。ほかに、1629年(寛永6)にこの地に配流された沢庵(たくあん)禅師を記念する春雨庵(はるさめあん)(県史跡)、金瓶(かながめ)出身の歌人斎藤茂吉(もきち)記念館、刀剣類を陳列した私設博物館の蟹仙(かいせん)洞、国の重要文化財の旧尾形家住宅(江戸中期の庄屋)、国指定史跡の羽州街道楢下宿・金山越(うしゅうかいどうならげしゅくかなやまごえ)などがある。農村部はかつての養蚕などにかわってブドウ干し柿(がき)で有名な関根カキなど果樹栽培が盛んである。面積240.93平方キロメートル(境界一部未定)、人口2万9110(2020)。

[中川 重]

『『上山市史』全5巻(1974~1985・上山市)』


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