上室頻脈性不整脈

内科学 第10版 「上室頻脈性不整脈」の解説

上室頻脈性不整脈(頻脈性不整脈)

(1)上室頻脈性不整脈(supraventricular tachyarrhy­thmia)
 上室頻脈不整脈とは,His束分岐部より心房側の部位のいずれかから興奮が発生するもので,洞結節からのものを正所性,それ以外の起源のものを異所性とよぶ.その発生機序と種類を表5-6-1に示した.しばしば治療は必要としない頻脈もあるが,症状,血行動態への影響,塞栓症など不整脈への合併症を考慮して治療の適応が決定される.治療には薬物治療と非薬物治療がある(次項(2)心室性不整脈を参照).表5-6-4【⇨5-6-2)-(2)】は細胞電気学的作用を中心とした抗不整脈薬の分類で,表5-6-5【⇨5-6-2)-(2)】は薬剤の標的とその薬理学的動態をも考慮した分類である.後者は表5-6-4の抗不整脈薬以外に,ジゴキシン,アトロピンやアデノシン三リン酸ナトリウムなども含んでいる.[相澤義房]
■文献
Cappato R, Calkins H, et al: Updated worldwide survey on the methods, efficacy, and safety of catheter ablation for human atrial fibrillation. Circ Arrhythm Electrophysiol, 3: 32-38, 2010.
Connolly SJ, Ezekowitz MD, et al: Dabigatran versus warfarin in patients with atrial fibrillation. N Engl J Med, 361: 1139-1151, 2009.
児玉逸雄,他:不整脈薬物治療に関するガイドライン(2009年改訂版),日本循環器学会,http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_kodama_h.pdf
奥村 謙,他:不整脈の非薬物治療ガイドライン(2011年改訂版),日本循環器学会,http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2011_okumura_h.pdf

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

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