三遊亭円右(読み)さんゆうていえんう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「三遊亭円右」の意味・わかりやすい解説

三遊亭円右
さんゆうていえんう
(1860―1924)

明治大正落語家初代。本名沢木勘次郎。2代三遊亭円橘(えんきつ)門下で橘六(きつろく)から三橘(さんきつ)となり、のち三遊亭円朝(えんちょう)門下となって1883年(明治16)円右と改名。非凡な芸で名人といわれ、大正時代に3代柳家小さんと並び称せられた。関東大震災後、2代円朝を継いだが高座に上らず病没した。2代円右(1891―1951)は初代の実子が継いだが大成しなかった。3代(1923―2006)は本名粕谷泰三。5代古今亭今輔(ここんていいますけ)門下で、寿輔(じゅすけ)から3代目を襲名

[関山和夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の三遊亭円右の言及

【落語】より


[落語研究会結成]
 1897年に春錦亭柳桜が,1900年に円朝,燕枝が死去した東京落語界は,円朝没後の三遊派を統率していた4代円生をも04年に失い,上方落語界の隆盛ぶりを見るにつけても善後策をたてねばならなかった。初代三遊亭円左(1855‐1911)が,本格の噺の確立をめざして,落語・講談速記界の第一人者今村次郎に相談したことから,4代橘家円喬(1865‐1912),初代三遊亭円右(1860‐1924),初代三遊亭小円朝(1857‐1923),4代橘家円蔵(1864‐1922),3代柳家小さん(1857‐1903)とともに1905年に第1次落語研究会結成の運びとなった。こういう芸道精進から東京落語は黄金時代に入った。…

※「三遊亭円右」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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