三賢(読み)サンケン

デジタル大辞泉 「三賢」の意味・読み・例文・類語

さん‐けん【三賢】

ある分野で、三人のすぐれた人。書道小野道風藤原佐理ふじわらのすけまさ藤原行成連歌二条良基救済ぐさい周阿など。

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精選版 日本国語大辞典 「三賢」の意味・読み・例文・類語

さん‐けん【三賢】

[1] 〘名〙
① 三人の賢者。
※参天台五台山記(1072‐73)一「午時参礼三賢院、三賢者豊干禅師、拾得寒山彌陀、普賢、文殊化現」
② (仏教では「さんげん」) 仏語。修行の階位としての三つの位。
(イ) 大乗で、菩薩修行の階位である十住・十行・十廻向の三階位、またはその階位の菩薩をいう。
※正法眼蔵(1231‐53)佗心通「十聖・三賢もおよばず、補処・等覚のあきらむるところにあらず」
(ロ) アビダルマ仏教で、賢者の位に入る前の準備的な瞑想の修行の階位。五停心観を修める五停心位・四念住を順次に修める別相念住位・四念住の全体を総合的に修める総相念住位の三つをいう。
※往生要集(984‐985)大文一〇「中上四善根、中中三賢、中下方便前人」
[2]
[一] 書道で、小野道風・藤原佐理・藤原行成をいう。三蹟。
※入木抄(1352)「三賢等筆なればとて、初心の人、先達に不談して、此本面白し、彼字興ありとてならふも、時にしたがひ筆づかひおなじからず候」
[二] 連歌で、二条良基・救済法師・周阿法師をいう。

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