三段峡
さんだんきょう
広島県北西部、山県(やまがた)郡安芸太田(あきおおた)町にある柴木(しわき)川の峡谷。中国山地の脊梁(せきりょう)部の八幡(やわた)高原から流出する太田川の支流柴木川とその支谷の横川(よこごう)川は、延長約16キロメートルにわたって深い峡谷を刻む。三段滝、二段滝、竜門、猿飛(さるとび)、黒淵(くろぶち)などと名づけられた滝、深淵(しんえん)が連続し、岩壁も高さ100メートルに達する。国の特別名勝に指定され、周囲は原生林をなし、西中国山地国定公園域となっている。峡谷の上流には樽床(たるとこ)ダムと人造湖の聖(ひじり)湖がある。広島市から直通のバスがある。JR可部(かべ)線三段峡駅も利用できたが、同線は2003年(平成15)可部―三段峡間が廃止となっている。
[北川建次]
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三段峡【さんだんきょう】
広島県北西部,太田川の支流柴木川の峡谷(特別名勝)。樽床(たるとこ)ダムから下流の柴木に至る約11kmで,二段滝,三段滝など多くの滝と,淵,岩壁,洞窟が続く。江戸時代にも知られ,1768年の《松落葉集》では三段峡の三段滝・竜ノ口・猿飛の三景が紹介されている。周辺には恐羅漢山(おそらかんやま),深入山などの高原もあり,広島市からバスの便がある。
→関連項目戸河内[町]|西中国山地国定公園
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さんだん‐きょう ‥ケフ【三段峡】
広島県北西部、太田川の支流柴木(しわき)川の峡谷。延長約一〇キロメートル。谷壁の比高は三〇〇メートルから七〇〇メートル以上にも達し、流れは激しく曲流して、奇岩怪石・深淵・瀑布の名勝をつくる。西中国山地国定公園の一部。国特別名勝。
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デジタル大辞泉
「三段峡」の意味・読み・例文・類語
さんだん‐きょう〔‐ケフ〕【三段峡】
広島県北西部、柴木川の峡谷。三段の滝など、滝が多い。紅葉の名所。
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三段峡
(広島県山県郡安芸太田町・北広島町)
「日本百景」指定の観光名所。
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さんだんきょう【三段峡】
広島の日本酒。蔵元は「川本英介」。所在地は山県郡安芸太田町戸河内。
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さんだんきょう【三段峡】
広島県北西部,太田川の支流柴木(しわぎ)川にかかる三段ノ滝を中心とする峡谷。延長約11km。西中国山地国定公園に含まれ,1953年国の特別名勝に指定された。柴木川は島根県境近くの八幡盆地の水を集めて南流し,芸北町樽床(たるとこ)(標高約800m)から南東に向きをかえるとともに,急に峡谷を形成し,戸河内町柴木まで続く。この間の高度差は450m,標高1000m前後の定高性円頂山地を300~600m刻み込み,高さ100m近くの懸崖も少なくない。
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三段峡
さんだんきよう
戸河内町で太田川に柴木川が合流する所から約二キロさかのぼった辺りから上流の渓谷をいう。平均三〇分の一の急勾配をなす長大な峡谷で、その最奥は芸北町西部の八幡高原に至る。水流は石英斑岩や花崗斑岩の岩盤を深く浸食し、数ヵ所で高さ四〇〇メートルに及ぶ大岩壁となり、幾多の滝・急流・深淵を形成。とくに竜ノ口・黒淵・猿飛・二段滝・三段滝・竜門・三ッ滝の景勝はすばらしく、また針葉樹と広葉樹の混合からなる原始林に覆われる。国指定特別名勝。
三段峡を最初に紹介したのは、加計村(現加計町)の鉄山経営者隅屋正封が編した明和五年(一七六八)刊の「松落葉集」である。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報