三千里(読み)サンゼンリ

デジタル大辞泉 「三千里」の意味・読み・例文・類語

さんぜんり【三千里】

河東碧梧桐随筆。明治39年(1906)から明治44年(1911)にかけて、中断を挟みながら2度の全国行脚の旅に出た筆者が、旅の雑感をまとめた紀行文当初新聞日本」に、ついで雑誌日本及び日本人」に連載された。続編もある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「三千里」の意味・わかりやすい解説

三千里
さんぜんり

河東碧梧桐(かわひがしへきごとう)の紀行文。1910年(明治43)金尾文淵堂刊。1906年夏、東京出発、東北・北海道方面を巡り、翌年冬いったん帰京、その紀行文が本書である。著者の新傾向俳句運動の展開、各地での俳三昧(ざんまい)や著者の俳論がうかがわれるとともに、各地の文化、風土の観察が興趣をそそる。また、09年春から中部山陰地方を遍歴した紀行が『続三千里』上巻(1914刊)であり、九州、沖縄、四国山陽近畿東海道を経て11年帰京するまでの紀行は講談社版『続三千里』に所収されている。

[伊澤元美]

『『三千里』上下(1973・講談社)』『『続三千里』上中下(1974・講談社)』

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