三代(読み)さんだい

精選版 日本国語大辞典 「三代」の意味・読み・例文・類語

さん‐だい【三代】

[1] 〘名〙
① 三人の天子君主が連続して在位する間。また、その間の三度の代替り。
平家(13C前)一一「あま村雲の剣は、崇神天皇より景行天皇まで三代は」
② 親・子・孫と続いて三世代が生きた間。また、その三人。
※青表紙一本源氏(1001‐14頃)明石「なにがし延喜の御手より弾き伝へたること、三代になんなり侍りぬるを」
家系の三代目。第三代。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「この山のぞう七人にあたる人を三代のむまごにうべし」
[2]
[一] 古代中国の、夏(か)・殷(いん)・周の三王朝。
※仮名草子・東海道名所記(1659‐61頃)六「されば今末代の自堕落世界に、三代の礼わづかに俤(おもかげ)をのこし」 〔論語‐衛霊公〕
※謡曲・草子洗(1570頃)「さて言葉を正さで誤りしは、富士のなるさの大将や、四病八病三代八部同じ文字

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デジタル大辞泉 「三代」の意味・読み・例文・類語

さん‐だい【三代】


親・子・孫の三つの世代。三世。「藤原三代栄華
はじめから3番目の世継ぎ。3代目。第3代。「徳川三代将軍家光公」
三つの時代。「明治・大正・昭和三代文学

三代集」の略。
中国古代のいんの3王朝。

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改訂新版 世界大百科事典 「三代」の意味・わかりやすい解説

三代 (さんだい)
Sān dài

古代中国の夏・殷(商)・周3王朝の時代をいう。それぞれの黄金時代を築いた創業の聖王たち,すなわち夏の禹王,殷の湯王,周の文王・武王・周公のときには,最も理想的な統治が行われていたとされる。たとえば孔子は,この三代の歴史の中に,人類が生み出した最も優秀な中国文化の展開を見,自分こそその本質を知るものと自認していた。そして将来の理想的な国家社会のイメージを,三代文化の総合として構想した。
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普及版 字通 「三代」の読み・字形・画数・意味

【三代】さんだい

夏・殷・周。

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