三井高富(読み)みつい・たかとみ

朝日日本歴史人物事典 「三井高富」の解説

三井高富

没年:宝永6.5.5(1709.6.12)
生年承応3(1654)
江戸前期の豪商三井家の家祖三井高利次男。母は寿讃。伊勢国(三重県)松坂生まれ。法号宗栄。15歳のときから兄高平と共に伯父三井三郎左衛門俊次が江戸本町4丁目に開いた呉服店に勤めた。俊次が延宝1(1673)年に没するとともに,三井高利は江戸に念願の呉服店を開設することに決め,高富が江戸本町1丁目に開いた越後屋呉服店を取りしきった。「現銀掛値なし」の看板を掲げて新商法を打ち出し,越後屋呉服店の基礎を築くとともに,三井同族団の強化のために規則類を制定するなどの面で功績をあげた。<参考文献>三井文庫編『三井事業史』本編1巻

(賀川隆行)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「三井高富」の解説

三井高富 みつい-たかとみ

1654-1709 江戸時代前期-中期の豪商。
承応(じょうおう)3年生まれ。三井高利の次男。父の呉服店創業をたすけ,江戸店をとりしきる。貞享(じょうきょう)4年兄高平の跡をついで2代八郎右衛門を称し,事業を統括学識があり,家憲や店制度の整備につとめた。三井伊皿子(いさらご)家の初代。宝永6年5月5日死去。56歳。伊勢(いせ)(三重県)出身。法名は宗栄。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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