万緑叢中紅一点(読み)ばんりょくそうちゅうこういってん

精選版 日本国語大辞典 「万緑叢中紅一点」の意味・読み・例文・類語

ばんりょく【万緑】 叢中(そうちゅう)=紅(こう)一点(いってん)[=一点(いってん)の紅(こう)

万緑の中にただ一点紅の花があって美しく目立つこと。
病牀六尺(1902)〈正岡子規〉六「墨画ども多き画帖の中に彩色のはっきりしたる画を見出したらんは万緑叢中紅一点の趣あり」 〔王安石‐詠石榴詩〕
多く男子なかに、一人だけ女性がまじっていることのたとえ。一点紅。紅一点。
※兎糞録(1913)〈和田垣謙三〉一五「金髪房やかなる美人騎手、飾も優美なる鞍に横乗して出で来りぬ。これぞ万緑叢中紅一点」
③ 多くの物のなかで、一つだけすぐれて目立っていることのたとえ。
※別れ霜(1892)〈樋口一葉〉五「何某学校通学生中に万緑叢中一点の紅と称へられて」

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デジタル大辞泉 「万緑叢中紅一点」の意味・読み・例文・類語

万緑ばんりょく叢中そうちゅうこう一点いってん

王安石「詠柘榴詩」から。あたり一面の新緑の中に赤い花一輪だけ咲いている意》
多くの男性の中に、一人だけ女性がいることのたとえ。紅一点。
多くのものの中に、ただ一つだけ目立つものがまじっていることのたとえ。

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とっさの日本語便利帳 「万緑叢中紅一点」の解説

万緑叢中紅一点

多くの男性の中に女性が一人いること。もとは王安石の詩の一句で、この後に「人の心を動かす春色はほんのわずかこそがいいのだ」と続く。

出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報

故事成語を知る辞典 「万緑叢中紅一点」の解説

万緑叢中紅一点

[参照] 紅一点

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