万屋(読み)よろずや

精選版 日本国語大辞典 「万屋」の意味・読み・例文・類語

よろず‐や よろづ‥【万屋】

[1] 〘名〙
① 種々の商品を売る人。また、その店。雑貨屋。荒物屋。なんでもや。よろずみせ。
※浮世草子・新吉原常々草(1689)上「万屋よろしき有さまにて、石町辺に住けるが」
② 種々の学問技芸に通じている人。また、何事でも一通りはできるが、専門家とはいえない人。なんでもや。
※竹沢先生と云ふ人(1924‐25)〈長与善郎〉竹沢先生の散歩「『何にでも手を出して、何一つものにならないよろづやさんですの』と笑った」
③ お布施(ふせ)、施し物をいう、僧侶仲間の語。
滑稽本浮世風呂(1809‐13)前「にゃむあみじゃぶにゃむあみじゃぶ。ホンニけふは万屋(ヨロヅヤ)さまが出る日だよ」
[2] 歌舞伎俳優の屋号の一つ。
洒落本辰巳之園(1770)「其外に中村や、嶋五郎、万屋(ヨロツや)、新万や、竹伊勢と云は、伊勢太夫が内じゃ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「万屋」の意味・読み・例文・類語

よろず‐や〔よろづ‐〕【万屋】

生活に必要ないろいろな品物を売っている店。雑貨屋。なんでも屋。
なんでもいろいろなことをひととおり知っている人。また、なんでもいろいろひととおりできる人。なんでも屋。
[類語]何でも屋両刀遣い

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「万屋」の読み・字形・画数・意味

【万屋】ばんおく

無数の家。

字通「万」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android