普及版 字通 「丁(漢字)」の読み・字形・画数・意味
丁
常用漢字 2画
[字訓] くぎ・ひのと・あたる
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 象形
釘の頭。その頭を平面形の口で示すことがあり、卜文・金文はその字形であった。〔説文〕十四下に「夏時、物皆丁實す。象形」とする。「丁實」は丁壮の意であろう。また「丁はを承く。人心に象る」とするが、心の象形は心であり、丁はその形でない。〔爾雅、釈魚〕に「魚枕、之れを丁と謂ふ」とする。魚腸を乙、魚尾を丙とするのと一類の説である。十干の第四に用いる。
[訓義]
1. くぎ、釘の初文。
2. ひのと、丙丁は五行では火。丙をひのえ、丁をひのとという。
3. あたる、当と通用する。
4. さかん、つよい。
5. わかもの、丁壮、公役に供する人、人口、召使い。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕丁 ヒノト・アツ・アタル・サカユ・サカリ・ヲトコ・イホノカシラノホネ 〔字鏡〕丁 イホノカシラノホネ・ヨヲロ・カセ・カムカフ・カタキ・アツ・アタル・ヨシ・サカユ・ウツ・カセキ
[部首]
〔説文〕に部首一字、〔玉〕には汀の異文一字を加える。丁の初文であるが、〔説文〕十四上に「釘(てい)は(れんぺい)の金なり」とあって、金の板とする。その形は丁に似ており、釘頭の鋳塊であったのであろう。
[声系]
〔説文〕に丁声として・訂・亭・・頂・汀・町・釘および(成)など十二字を録する。は戉(えつ)(鉞(まさかり))に綏飾(すいしよく)を加えて器の成るを祝い、その呪飾とする意で、丁形はその綏飾であり、丁声の字ではない。他はおおむね丁の声義を承ける。頂は釘頭を人頂の意に及ぼしたものである。
[語系]
丁・頂tyengは同声。また巓tyen、天thyen、定dyeng、題dyeはみな声近く、山の巓頂(てんちよう)、顔の題額(ひたい)の部分をいう語である。當(当)tang、貞tiengは「あたる」とよむ字。その打つ音を丁丁という。丁丁は擬声語である。
[熟語]
丁▶・丁役▶・丁艱▶・丁彊▶・丁口▶・丁香▶・丁黄▶・丁妻▶・丁冊▶・丁算▶・丁子▶・丁字▶・丁実▶・丁女▶・丁税▶・丁籍▶・丁銭▶・丁壮▶・丁属▶・丁稚▶・丁中▶・丁冬▶・丁東▶・丁倒▶・丁当▶・丁寧▶・丁年▶・丁夫▶・丁賦▶・丁部▶・丁夜▶・丁憂▶・丁老▶・丁丁▶
[下接語]
役丁・園丁・戸丁・甲丁・獄丁・識丁・初丁・正丁・成丁・征丁・租丁・壮丁・男丁・馬丁・白丁・発丁・符丁・募丁・民丁・輸丁・輿丁・落丁・伶丁・零丁
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報