一陣(読み)いちじん

精選版 日本国語大辞典 「一陣」の意味・読み・例文・類語

いち‐じん ‥ヂン【一陣】

〘名〙
① 第一の陣。第一線陣地先陣先鋒(せんぽう)。一番手。
陸奥話記(11C後か)「清原武貞為一陣、〈略〉橘貞頼為二陣
敵陣最初に攻め入ること。さきがけ。一番駆け。
吾妻鏡‐文治元年(1185)二月一六日「為大将軍者 未必競一陣歟」
戦陣における一個の軍隊
※陸奥話記(11C後か)「五陣中亦分三陣、一陣将軍、一陣武則真人、一陣国内官人等也」
④ (━する) 風や雨などが、ひとしきり吹いたり降ったりすること。
※翰林葫蘆集(1518頃)三・風簾花影「晩来一陣狂風起。欲飛紅海牛
※旧習一新(1875)〈増山守正〉下「四隣寂莫陰風一陣す」 〔裴説‐聞砧詩〕

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デジタル大辞泉 「一陣」の意味・読み・例文・類語

いち‐じん〔‐ヂン〕【一陣】

風や雨がひとしきり激しく吹いたり降ったりすること。「一陣の風」「一陣驟雨しゅうう
陣立てで、いちばん前の隊列。先陣。先鋒せんぽう
鎮西八郎為朝、―を承って固めたり」〈保元・中〉
一番乗り。先駆け。
一方の―を懸けて、鎌倉殿にも聞こえ奉り」〈盛衰記三六

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普及版 字通 「一陣」の読み・字形・画数・意味

【一陣】いちじん

ひとしきり。

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