一酸化ケイ素(読み)イッサンカケイソ

化学辞典 第2版 「一酸化ケイ素」の解説

一酸化ケイ素
イッサンカケイソ
silicon monoxide

SiO(44.08).モノックスと俗称される.二酸化ケイ素炭素または炭化ケイ素を反応させてつくる.不透明な黒色粉末.密度2.24 g cm-3.融点1700 ℃ 以上,沸点1880 ℃.空気中で酸化され,表面に二酸化ケイ素の被膜を生じ,安定化する.水に入れると水素を発生する.フッ化水素酸硝酸の混合物に溶ける.アルカリ水溶液と温めると水素を発生し,ケイ酸塩となる.熱や電気の絶縁体としてすぐれている.加熱すると赤外線を放射する.研磨剤,レンズや鏡の光学蒸着薄膜(反射率,透過率の向上),半導体回路や素子の絶縁膜・保護膜,暖房加熱器具,高純度ケイ素の製造などに用いられる.[CAS 10097-28-6]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android