デジタル大辞泉
「一行三昧」の意味・読み・例文・類語
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いちぎょう‐ざんまい イチギャウ‥【一行三昧】
〘名〙
※筌蹄録(1909)〈
釈宗演〉一「或は
一行三昧、或は真如三昧」 〔文殊般若経‐下〕
② 四種三昧の一つ。法界の平等を観ずること。
天台宗ではこれを
常座の一行を修め、
一仏の名を称え、
実相を観する三昧とした。
※
源平盛衰記(14C前)五「彼の一行阿闍梨と申すは、本は天台の一行三昧
(ざんマイ)の禅師也けるが」
③ 一心に念仏すること。念仏三昧。
※
花鏡(1424)知習道事「心に好きありて、此道に一行さんまいになるべき心、一」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
一行三昧
いちぎょうざんまい
ekavyūha-samādhi
仏教用語。一相三昧,一荘厳三昧ともいう。この世界は一切の諸仏が体現する唯一無二の真実がきわめて多様な姿 (相・荘厳) をとって現れたものである。この多様な存在の世界 (法界) を究極的な空の立場から眺めれば,それは諸仏の真実という無差別平等の一つの相にほかならない。この平等唯一の相に観念を集中する精神集中の境地を一相三昧という。また,それは一心に一仏を念じる行なので一行三昧という。この行は禅では真如三昧,浄土教では念仏三昧とされる。
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