一般均衡(読み)いっぱんきんこう(英語表記)general equilibrium

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「一般均衡」の意味・わかりやすい解説

一般均衡
いっぱんきんこう
general equilibrium

経済におけるすべての市場が同時的に均衡していること。つまりある時点でのすべての財・サービスの価格と数量が変化しない状態を指す。この理論は,L.ワルラスによって展開され,J.ヒックス,P.サミュエルソン,G.ドブリューらによって発展がなされた。各財の需要供給は,その財の価格のみならず,他のすべての財の価格に依存すると考えられる。需要関数は,消費主体の効用最大化行動からすべての財の価格の関数として導かれる。供給関数は,生産主体の利潤最大化行動からすべての財の価格の関数として導出される。市場において,すべての財の需給が一致するよう財の価格が調節され,一致したところで一般均衡価格が決定される。これに対して部分均衡は,他の事情において等しいという条件のもとで,当該の財に限定して需給均衡を考える。

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世界大百科事典(旧版)内の一般均衡の言及

【ミクロ経済学】より

…価格が変化すると,需要量,供給量も変化する。このような需給の差による価格の調整を通じて,すべての生産物,生産要素の市場で需給が一致した状態を一般均衡と称する。一般均衡の条件である需要と供給の均等を意味する連立方程式体系を分析することにより,たとえば生産技術の変化が均衡価格体系を,どのように変化させるかを検討することができる。…

※「一般均衡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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