一般可能性定理(読み)いっぱんかのうせいていり

世界大百科事典(旧版)内の一般可能性定理の言及

【厚生経済学】より

…古くから論議されているものは個人間の平等な配分を正当化しようとするものであるが,十分な根拠を見いだすのは困難である。一般に価値判断を表現する方法として,評価すべき資源配分にその望ましさに応じて数値を割り当てる社会的厚生関数という概念が用いられることがあるが,これを民主的手続に従って構成することは不可能であるというK.J.アローの一般可能性定理が知られている。これは,厚生経済学が基礎を置く社会的価値判断の形成には困難が伴うことを示している。…

【社会的選択理論】より

…ところでこのルールは,各個人が矛盾のない判断を表明していても,それらを集計した社会的判断が循環的矛盾を生むという〈投票のパラドックス〉の可能性を含むという事実が,古くフランスの啓蒙思想家M.J.A.N.deコンドルセにより発見された。社会的選択理論における古典的成果とされるK.J.アローの一般可能性定理general possibility theoremは,このようなパラドックスは単純多数決ルールにのみ固有の欠陥ではなく,実は民主的な集計ルール一般が避けえない難点であるということを論証したものである。さらにまた,いかなる集計ルールであれ,個人による虚偽の判断表明によりその個人の利益になるように操作される可能性をつねに潜めているという事実も,一般的な論証を受けている。…

※「一般可能性定理」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android