一条(読み)いちじょう

精選版 日本国語大辞典 「一条」の意味・読み・例文・類語

いち‐じょう ‥デウ【一条】

〘名〙
① 道、川、煙、布など細長いもの。一本。ひとすじ。
※皇太神宮儀式帳(804)「御床土代敷細布御帳一条」
読本・椿説弓張月(1807‐11)後「ここに従ふものとては、一条(イチデウ)の杖、一葢(いっかい)の笠に過ず」 〔李白‐冬日帰旧山詩〕
② 平城京、平安京などの条坊制で、京城を九条にくぎったうちの一つ
③ 箇条書きや数えあげる事柄などのひとくだり。
万葉(8C後)一八・四一〇六・序文「七出例云、但犯一条即合之、無七出輙弃者徒一年半」
※俳諧・其袋(1690)夏「清少納言の橋はと有(ある)一条、あさむつのとかける所也」 〔唐書‐選挙志〕
④ ある一つの事柄。多く、相手がそれを知っている場合に用いて、「例のあの事」の意。一件
※人情本・春色梅美婦禰(1841‐42頃)四「拙者が絶命の一条今日に迫り」
⑤ (①の細いひとすじの意から転じて) わずかなもののたとえ。
※良人の自白(1904‐06)〈木下尚江〉中「乙田も其れにやや一条の活路を開いて」
⑥ 本質的なつながりのあるもの。同じ道理
徒然草(1331頃)三八「いかなるをか智といふべき。可、不可は一条なり」 〔荘子‐徳充符〕
⑦ 古い田積(面積を示す単位)の一つ。〔書言字考節用集(1717)〕

いちじょう イチデウ【一条】

姓氏の一つ。

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デジタル大辞泉 「一条」の意味・読み・例文・類語

いち‐じょう〔‐デウ〕【一条】

ひと筋。1本。「一条の光」「一条の活路を見いだす」
箇条書きのひとくだり。文章の中の一節。一条項。「一条の注意書き」
ある一つの事柄。一つの事件。一件。「話題がその一条に及ぶ」
「巧に件の不都合をばおおい得る由ありとするも、別に―の不便利あり」〈逍遥小説神髄
同じ筋道。同じ道理。
「可、不可は―なり」〈徒然・三八〉
[類語]一件問題案件けん懸案課題題目本題論題論点争点テーマプロブレム

いちじょう〔イチデウ〕【一条】

五摂家の一。鎌倉初期、九条道家の三男実経が京都一条に住んだのに始まる。

いちじょう〔イチデウ〕【一条】

平安京条坊の一。また、東西に通じる大路の名。一条大路。

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日本歴史地名大系 「一条」の解説

一条
いちじよう

[現在地名]岩見沢市一条西いちじようにし一条東いちじようひがし

昭和二九年(一九五四)当時、西は一五丁目、東は八丁目まであった。同三一年発行の岩見沢市街案内地図などによると、岩見沢駅の南側、函館本線に並行して延びる一条通沿いの町並で、中央ちゆうおう(旧夕張通)を挟み東西に分れる。一条通の南に二条通があり、以下並行して九条通まである。西一丁目から一〇丁目は商店・商社が並ぶ商店街で、金融機関も多い。西一丁目に空知信用金庫本店(現在三条西に移転)・北海道銀行岩見沢支店(現在四条西に移転)・北洋相互銀行岩見沢支店(現北洋銀行岩見沢支店)、同一―二丁目には石炭販売所が数店あり、同七―八丁目には繊維問屋が多かった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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