一斤染(読み)いっこんぞめ

精選版 日本国語大辞典 「一斤染」の意味・読み・例文・類語

いっこん‐ぞめ【一斤染】

〘名〙 紅花(べにばな)一斤で絹一疋を染めることという。紅染めの淡いものと考えられる。また、染められたその絹。いっきんぞめ。
※助無智秘抄(1166頃か)「検非違使(けびゐし)は、あをばかまに一こんぞめ」

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デジタル大辞泉 「一斤染」の意味・読み・例文・類語

いっこん‐ぞめ【一斤染(め)】

平安時代の染め物の一。紅花べにばな1斤で絹1匹を染めること。また、その染めた絹や色。いっきんぞめ。

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色名がわかる辞典 「一斤染」の解説

いっこんぞめ【一斤染】

色名の一つ。「いっきんぞめ」とも読む。薄い桃色紅花1斤きん1疋ぴきを染めたときの淡い色をさす。一斤は尺貫法単位で約600g。1疋は絹布2反たんで、1反は大人一人分の布地の量。桜色に近い色から、だいだいに近い色まで幅がある。平安時代からある伝統色名で、高価な紅染禁色きんじきだった時代でも淡い一斤染は許された。現代でも和服和菓子などに用いられる。

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