一回(読み)ひとまわり

精選版 日本国語大辞典 「一回」の意味・読み・例文・類語

ひと‐まわり ‥まはり【一回】

〘名〙
① 物のまわりやある範囲を一度回ること。一周。一巡。また、はじからはじまで。一わたり。〔日葡辞書(1603‐04)〕
小学読本(1873)〈田中義廉〉二「此世界は〈略〉実は動くものにて、毎日一廻りづつ廻り」
分担などが、順に全部まわること。また、その一巡。
十二支で、一巡する年数。一二年。一二歳。また、一〇年をさして用いることもある。
狂歌・銀葉夷歌集(1679)一「一まはりまた立帰り春もけさきたの翁の馬のとしかも」
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)二「一(ヒト)まはり違はあ、もう丁度だはな」
④ 七日間。一週間。風呂桶の賃貸期間、湯治服薬などの一区切りが七日であったところからいう。
浮世草子・好色三代男(1686)二「始め一まはりといひしが、二まはりよりいくまはり」
⑤ ある物の周囲の長さ。ぐるり。
⑥ 物事の程度の一段階。人間の器量度量の大きさにもいう。
※今年竹(1919‐27)〈里見弴三人上戸「もうひと周り上手の小僧ッ子扱ひだ」

いっ‐かい ‥クヮイ【一回】

〘名〙
① ひとたび。一度。
※菅家文草(900頃)一・会安秀才餞舎兄防州「一廻告別腸千断、我助君情独向一レ隅」
② (━する) ひとまわりして、もとへ戻ること。一周。一巡り。〔日葡辞書(1603‐04)〕
乾坤弁説(1656)亨「一昼一夜の内月は一世界を一廻する故に」 〔孟郊‐怨別詩〕
③ 一年。〔易林本節用集(1597)〕
小説本などの一章または一段。
※浮世草子・諸道聴耳世間猿(1776)一「一回 要害は間にあはぬ町人城廓
野球で、相対する二チームが、一度ずつ攻撃と守備の側になること。前半を表といい、交替する後半を裏という。一インニング。

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デジタル大辞泉 「一回」の意味・読み・例文・類語

いっ‐かい〔‐クワイ〕【一回】

一度。ひとたび。「週に一回稽古」「一回行ってみよう」
ひとまわり。ひとめぐり
小説などの一章または一段。
野球で、最初の回。「一回の表」
[類語]一度一遍ひとたび一朝

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