一刻(読み)イッコク

デジタル大辞泉 「一刻」の意味・読み・例文・類語

いっ‐こく【一刻】

[名]
わずかな時間。瞬時。「一刻を争う」「一刻も早く」
昔の時間で、一時ひとときの4分の1。今の約30分間。→
[名・形動]
頑固でわがままなこと。また、そのさま。「一刻な老人」
せっかちで、何かというとすぐ怒ること。また、そのさま。
「―なとこと田町のとこでゆひ」〈柳多留・一四〉
[補説]は、「一国」「一克」「一剋」などとも書く。
[派生]いっこくさ[名]
[類語]片時寸秒寸刻寸時瞬間一瞬瞬時刹那一刹那とっさ数刻束の間たまゆら須臾しゅゆ電光石火

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「一刻」の意味・読み・例文・類語

いっ‐こく【一刻】

〘名〙
① 昔の一時(ひととき)の四分の一。現在の約三〇分。また、中国で一昼夜を昼五十刻、夜五十刻に分けたその一つ、すなわち約一五分間をいう。〔宋書‐礼志〕
② わずかな時間。ひととき。瞬時。
※虎明本狂言・入間川(室町末‐近世初)「一刻もはやう国本へくだらうと思ふ」 〔漢書‐武五子伝〕

ひと‐きざみ【一刻】

〘名〙
① 一段。一階級。副詞的にも用いる。
源氏(1001‐14頃)桐壺「いまひときざみの位をだにと、贈らせ給ふなりけり」
② 第一の列。第一級。第一位。
※源氏(1001‐14頃)若菜下「その御前の御遊びなどに、ひときざみにえらばるる人人」
③ 一回、刻むこと。

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普及版 字通 「一刻」の読み・字形・画数・意味

【一刻】いつこく

ひととき。わずかの時間。宋・軾〔春夜〕詩 春、値千金 り、に陰(かげ)

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